———…彼は私のことを愛している。


何よりも誰よりも。



でも、私が彼の傍にいるのは
彼への同情と、ほんの少しの愛情から。



もし、ふたりの想いをはかる天秤が
あるならば、私たちの想いが同じ重さに
なることは


きっと、一生なくて。




「私も…愛してるよ」





今日もまた、嘘つきな猫は『アイシテル』
なんてちっぽけな言葉を吐き出す。


これで…、これでいいの。


嘘だとバレなければ、それはいつか
真実に変わるかもしれないから。


だから———…。



『もう一回、言って?』