はっ、と弾かれたように席を立つ。
『わっ!びっくりしたー。どうしたの?
そんな急に』
「…ごめん、ちょっと急ぐから行くね」
『あ、うん。じゃあね南波さん』
急に立った私に驚きの声をあげた彼女たちは目を見開いて私を見上げていて、
それに思わず苦笑いを返した。
ぎこちない笑い方になってしまったけど
今はそれで許して欲しい。
私の頭には、一刻も早くここから去りたい
という気持ちでいっぱいだった。
荷物を持って足早に教室から出る。
不審がられたかもしれないとかは
今はどうでもよくて。
早く、早くひとりになれる静かな場所に
行きたかった。

