陽だまりに猫





『アルバム…ってなんの?』

「……写真部の時の」


写真部、そう言った瞬間に眸を見開いて
私の腕を掴んだ莉央。


『なんで?』

「……おねがい」

『理由を聞いてるんだけど』


怖い。莉央が……怖い。でも。


「おねがい、アルバム見せてよ」

『…、あの時の写真は全部捨てた』





「嘘つき」





莉央の眸が揺れた、その瞬間を
私は見逃さなかった。


彼は咄嗟なのだろう、ちらりと本棚の
左上の列へと視線を向けたのだ。


私は莉央の手を振り払って迷うことなく
そこに手を伸ばす。



だけど。



『悠……っ!!』


私のことを止めようと、私のお腹に腕を
回した莉央。でも、私の手は既にある一冊の重厚感のある本へとかけられていて。


バサバサと本棚の中にある本が数冊、
道連れにして床に落ちる。


その拍子に掴んでいた一冊も手から
離れたのだけれど…————。



「………、あった」


無造作に床に散らばった何十枚もの写真。
それはさっき掴んだ本の中から出てきた
ものだった。