想い人は彼女の行動の意味が分からずに、
ただただ黙っていたそうだ。
するとジュリアは隠し持っていたオノを取り出し、想い人の脳天めがけてふりかざした―……
彼女のドレスは彼の返り血で必然的に赤くなる。
『いずれは手に入る』……
『今がその時だったのよ……』
彼女はこうつぶやいた。
そして、想い人の血で、自身のドレスを真っ赤に染めたそうだ。
まるで、一心同体にならんとばかりに―……
一輪の花―……グラジオラスを持ちながら、儚げに涙を流した彼女。
グラジオラスの花言葉は「自分らしい愛を見つけよう」
これが、彼女らしい愛だったのだ。
【儚いジュリア】