好きだ。




「正解や。」


「やった!!!」


「はいはい、おめでとさん。」


「うへぇーほんと最近ずっと英語しか見てないよ」


「ええやん、英語は役に立つで(笑)」


「うーん、そうだけどねぇ...」


「よし、これでお前もこの補修地獄から解放や(笑)一ヶ月よう頑張ったな。」


「……。」



そう南に頭を撫でられるけど…





全然嬉しくない。





「ん?どうした?嬉しないんか?」


「…嬉しいよ?嬉しいけど…」


「…ふっ(笑)なんや、寂しいんか?(笑)」


「はっ!?」


「俺とおんの、そんなに楽しかったん?(笑)」


「べ、別に!!!?ぜんっぜん!!」





…嘘。





本当はすっごく楽しかったよ。



毎日放課後が楽しみで…






「ははは(笑)まぁ、お前ならまた戻ってくるやろ(笑)」


「ふんだ!絶対戻って来ないし!!ありがとうございました!!さようなら!」



南と放課後話せなくなるのが寂しくて




そんな事を考える自分が嫌で





そう言い残し職員室から出ようとした私の背中に





「俺、いつでもおるからな。」





南の優しい声が聞こえた。








バタン。




扉を閉めた後…




少しだけ、後悔した。






「なんで意地はっちゃうのかな。」




素直になれたらいいのに。


なーんて。