好きだ。



「おぉー!きたきた(笑)」


「なんすかその珍獣が現れたみたいな言い方は。」


「俺の言うてた所、やってきた?」


「やってきましたよ。」



あれから私は放課後毎日南の所に足を運ぶようになった。



それで分かった事は南は意外に優しくて、真面目な人だという事。




「お、悔しいけど正解や。ムカつくわぁ~(笑)」


「へへーん!どーだ!」


「この調子やったら期末は期待できるんちゃう?」


「本当?!良かったぁ...」




後は...




「うん、正解。よお頑張ったな。」



ポンポン


そうやって頭を撫でてくる南に、少しだけ。ほーんの少しだけ、キュンとしたり。



「………南ってさ、何歳なの?」


「俺?もうおっちゃんやで(笑)」


「何歳(笑)」


「50」


「....えっ」


「嘘じゃあー!(笑)まだ28や(笑)」



「びっくりしたー...もー!」




なんか、南といると楽しいって思う自分がいた。



ま、関西人だからね!そら楽しいわ!!!



「南、女子から人気だよ?(笑)結構皆かっこいいって言ってる(笑)」


「えぇー?嘘やぁ~」


「ほんとほんと!!あ、そういえば。噂で聞いたんだけど、彼女いるの?」


「え?あぁ、おるな」


「なんだぁーつまんないの」


「なにがや(笑)しゃあないしゃあない、もうおっちゃんやから(笑)」


「ふーん。ねぇ、その人なんて名前なの?!」


「え?彼女?」


「うん!!教えてよ!」


「言わんし(笑)なんで教えなあかんねん(笑)」


「えぇー。愛とか!?」


「ちゃう。そんな近代的な名前ちゃう」


「花子?」


「アホか。」


「えー教えてよー...ってかさ。」


「ん?」


「私の名前、知ってる?」


「はぁ?知っとるわ(笑)」


「お、答えてみなさい!」


「...沙奈やろ?」





...ん?なんだこれ。




「せ、せいかーい!!」





なんで胸が苦しくなったんだろ






「...覚えてたんだ」



「んー?まぁな。一応教師やし(笑)」



「ふーん。教師ねぇ...。でもま、南は良い意味で教師っぽくなくて良いよね!(笑)」


「なんやそれ、褒めてんのか(笑)」


「褒めてる褒めてる!佳菜子も言ってたよー!好きだって!」


「佳菜子って誰?」


「え?沢田佳菜子じゃん。」


「ん?あぁー!沢田ね。沢田頭ええよなぁ。今回学年3位やったであいつ。」


「へぇ...」




佳菜子の名前、知らなかったんだ。



なんだろう



それだけなのに、すごく嬉しい。




私って性格悪くなったのかな。