好きだ。



「み、みなみ…!!し、島崎です!!島崎沙奈です!!」


『知ってまーす。こんなアホそうな声お前しかおらへん(笑)』







南だ……





南だぁ………!!!!









「つ、繋がるんだね沖縄と東京って…!」


『お前どんだけアホやねん、繋がるに決まってるやろ(笑)』


「そ、そうだよね!!はは…」







緊張しすぎて自分でもなにを話してるかはっきり理解できていない。










『んで?』


「え?」


『どんな緊急事態やったん?』


「…あ…」





そうだ、緊急事態じゃないのにかけちゃったんだ





でも…





南がいないだけで、緊急事態みたいなもんだよ








「特に用はないんだけど…開けちゃって…」


『アホか(笑)まぁ、そんなもんやとは思ってたけど(笑)』


「そ、そんなことより、沖縄どう??」


『沖縄ええとこやわー!魚もうまいしなんせ海も空も綺麗やで!』


「へぇー!!あ、今日満月だ!ねね、そっちでも見える?」


『あーほんまやな!月。丸くて誰かさんにそっくりやわ(笑)』



「ねぇそれ誰のこと?(笑)」


『内緒や内緒。』








電話越しに聞こえる南の声は、優しくていつもよりちょっと声が高く聞こえた。







こうやって話をしてると…世界に2人しかいないみたい。











「ねぇ、南」


『んー?』


「なんで私に電話番号くれたの?」







自分でも少し大胆なこと聞くな…と思ったけど気になって仕方がなかった。







少しの沈黙の後、









『…さぁなー』





そうやって誤魔化す南。





「なによー。気になるのに!ひどい!」


『はいはい、そんなん言うなら電話切るでー』


「え!はやい!そういえば昨日佳菜子が…」













神様。叶わないって分かってる。











でも、もう少しだけでいいから、この時間を私だけにください。