夏も終わり、秋が訪れ
ようやく私の周りも落ち着いてきたその頃。
やつがやってきた……
「と、いうわけで。
来週から二年生の赴任で修学旅行に引率するんで来週1週間は自習やー!
課題提出あるからちゃんとしとけよ!」
な…
なにぃいいいいいい!!!!???
すっかり『修学旅行』のことを忘れていた私は、放課後職員室に直行した。
ガラリと扉を開けると、いつも通りヒョコっと顔を出す南。
「南!!沖縄ほんとにいくの?」
「は?ほんまも嘘もあるか!」
そ、そりゃそうだよね…
南が二年の赴任ってこと…すっかり忘れてた。
1週間も南に会えないなんて……確実に死ぬよう……
「……も、もし分かんないところでてきたら!?」
「そんなもん他の英語の先生に聞け。俺は沖縄で泡盛と刺身を堪能してくるわ♡」
「は!?教師が飲酒とか、ダメですぅーー!」
「いいんですぅ〜!(笑)まぁ、たったの1週間や!一瞬やろ。質問貯めて聞きにきたら、教えたるわ」
「めちゃめちゃ多くなってもいい…?」
不満げそうにそう聞くと
「しゃーなしな!」
そう、南は
ニカッと笑って私の頭に手を置いた。