やってしまった...
「...沙奈...それはやばいね」
「12点は無いよね。」
「無いね。」
「しかもよりによって...英語って」
「いいじゃん、南先生に英語教えてもらいなよ!」
「嫌だぁ。あの先生苦手だもん。」
「ふーん。でもまぁ、どうせ呼び出されるんじゃない?(笑)」
「分かってますよ、行けばいいんでしょ行けば。」
「はい、いってらっしゃーい(笑)」
はぁ...馬鹿だなぁ。
まさかの中間で12点取っちゃうなんて。
しかも南先生だし。
ガラッ
職員室の扉を開けると、南先生が奥の方から顔を出した。
「あ、来た。おーい、こっちや。早よ来い!」
「はぁい。」
もういいや、ここまで来たら開き直ろう。
「お前さ。」
「はい。」
「偉そうに喋っといて、学年最下位やで(笑)ほんまにアホやってんな(笑)」
「なっ!悪かったですねぇ!アホで!いいんです。私は日本人なんで。」
「それな、現実逃避って言うねんで?(笑)」
「...ごめんなさい。」
「分かればええねん、分かれば(笑)まぁ...今回は俺も点取りにくい問題いっぱい出してしもたからな。お前、答案見してみ?」
「はい。」
「んー…そやねんな、お前な、やればできるタイプやねん。文法もある程度理解できてるし。これはちゃんと勉強したら取れるって事や。」
私の答案を眺めながらスラスラとそう言う南先生。
意外と...優しい先生なんだ。
ちょっと嫌ってて申し訳なかったな。
「...私、本当にダメダメかと思ってた...」
「は?ダメダメやで?当たり前やん」
「…どっちだよ」
「12点取っててダメダメ卒業はできひんわぁ。お前、部活入ってへんから暇やろ?放課後、俺ん所来たら教えたるから、いつでも来い。」
「暇とは誰も言ってませんー。」
「忙しいん?(笑)」
「いや、忙しい訳じゃないけど…」
「んなら決まり。来なかったら覚えとけよ。」
「なにそれ(笑)はいはい。わかりましたー」