ミーンミンミンミーン
「まだ蝉鳴いてるんだね〜!」
「…なんで帰らなあかんねん。仕事残ってんのに…」
あれから無理矢理南を職員室から連れだした私は
南を送るべく家路に着いた。
こうやって一緒に帰るの、初めてかも。
ふとアスファルトに目を向けると、自分の影と南の影があった。
その影が嬉しくて、愛おしくて
きゅん。
また胸がそう鳴った。
「南、どこに住んでんの?」
「地球」
「怒るよ」
「こっからあっち方面の電車乗ってしばらくしたとこ。」
「えぇ!!逆方向!!」
「それはどうも」
一緒に帰れるかもって期待したのに…ショック…
「あ、でも塾行くときは同じ方向だよ!!」
「お前塾行ってたんや、それであの成績…プッ笑」
「は!?なによ!!社会科と国語は得意です〜!!!」
「はいはい、これ以上笑わせんとってくれ笑」
