好きだ。




「高校生って...大変。」



高校生活が始まり、早くも1週間が過ぎようとしていた。



高校の数学とか理科って...意味わかんない記号だらけ。



通い始めて二日で実力テストがあるし、英語の授業では毎回小テスト。




「もう死にそう...佳菜子ぉ〜...」


「よしよし。理数英は私が教えてあげるから。あんたは国語頑張りな。」


「うぅーん。がんばる。」




キーンコーンカーンコーン




「はい、席つけよお前ら〜授業始めんで〜」



そう言いながら教室に入ってきたのは英語教師の南先生だ。



「あっ、南先生♪かっこいいなぁ...」


「うーん...」


「えぇ?かっこよくない??」


「...確かに、服のセンスは良いよ?顔も...まぁかっこいいし、なにより面白い。だけど...私は、もっとリッチでイケメンで、王子様みたいな人がいいの♪」


「なにそれ...そんな人いるの」


「いるよー!!」


ポカッ


「いたっ!」


「おい、島崎〜さっきからずっと俺が呼んでんのに何無視してんねん。アホ。」


「すいませんでしたぁ〜」


「分かったならええけど。次やったら怒るからな。ほな、授業始めんでー」




南先生はそう言い残し、スタスタと教卓に戻って行った。



...アホって...





「いいなぁ..沙奈。私もアホとか言われたい!」


「はぁ?あんなののどこがいいの?全くわかんない!」



叩かれた頭をさすりながら教卓に立った"あいつ"を睨む。




南直人。




あの人、苦手だ!!