「…あのさ…あんなことしといて話ってって思うかもだけど…」
ちらちらとこちらを見ながら話し始める福原。
私はというと福原と1m以上の間隔をあけて座っている。
「あの日言ったことは、本当だよ。」
その言葉に福原を見ると、真剣な眼差しでこちらを見つめていた。
「高校入って初めて話した時、なんでも笑って聞いてくれたりして…それが俺、すっげー嬉しくてさ。」
あの時…そんな風に思ってくれてたんだ。
意外な福原の気持ちに、少し頬が赤くなる。
「でも、英語の授業が始まって。南がお前を怒ったとき…
なんか、こいつには負けたくねぇって思ってさ。そんで…」
福原の目が私の目を捉えると、トクンと胸がなった。
「あ、島崎、こいつに惚れるなって思ったんだ」
「そう…なの?」
南に初めて怒られたとき
正直私は南のことをこんなにも好きになるなんて思ってもみなかった。
それを福原は予知していたっていうの…?
「わかるもんなんだよ。やっぱり。好きなやつが誰を好きかとか。」
福原のその言葉に、胸が苦しくなった。
そうだよね、自分が一番わかってる。
だってずっと見ちゃうもんね。誰を目で追ってて…
誰を愛おしく見てるのかって。
