好きだ。








「はぁ…っ……もうとっくに7時過ぎてるよ…」










花火…もう終わっちゃったかな…















急いで屋上へと向かう中、福原の事を思い出す。















結局、驚きすぎて私は何も言えないまま教室を飛び出てきてしまった。












ひどい事…しちゃったかな…














そんな罪悪感に追われているうちに、私は無事屋上へと着いた。


















「南!!!!」

















南はそこにいた。














もう帰っちゃってるかと思ってた…














私の声に気づき、振り返った南はしばらく私を見るとぷいっとそっぽを向いてしまった。












…怒ってる…













「…えっと…ほ、本当はもっと早く来れる予定だったんだけど…その…」















福原にキスされて告られた!!!












なんて言えるわけもなく…














「…その…ごめんなさい…花火、終わっちゃった?」






そっと南の顔を覗くと、南は私と目を合わせようともしてくれない。













うわぁああ…どうしよう…















「南、ごめんね。えっと…な、なんでもするから!!許して?」












そう言うと南はチラッとこっちを見てニヤリと笑った。













「言うたな?」



「えっ」













しまったあああああ!!!!







「あ、いや、その、なんでもっていうのは…その…」



「…もう知らん。」



「あーー!ごめん!ごめんね?えっと…はい。なんでもします…」










やっぱ南にはかなわないよ…






「……南?おーい。大丈夫?」







そっと南の様子を確認すると、南はトローンとした顔でこちらを見た。





きゅんっ






いや、いやいやいや!!その顔反則!!!かわいすぎ!!!!





「ど、どうしたの?なんか南…変だよ?」






「…島崎。」







「は、はい!!」









え…?
















南の手がそっと私の背中に伸びたと思うと、そのまま南の胸に包まれた。









「み、みな…み…?」









そう呼んでみても、南はただ黙っていた。
















ど、どうしたらいいのよぉ!!!















どうしたらいいのか分からず、そっと南の腰に手を回すと、南がこちらを見た。









「えっ…」










そっと南の顔が近づく。








「え、え、えええ、ちょ、え!?」














み、南…どうしちゃったのよ!!!










「ちょっ…わぁ!!!!」












次の瞬間南の全体重が急に私に掛けられ、私は南に押し倒される形になってしまった。











「ちょ、南!!!それはダメだってえええ!!」











私、まだそんな準備できてないーーー!!!!




















「……くぁーー…」



「え」











ね、寝てる…?
















「ちょ、南…っ」













私の上に乗っかった南をどけて見ると、ぐっすりと眠っていた。














な…なんじゃそら…

















「…眠かったんかい…」














ちょっと残念に思いながらも、眠る南の隣に私はそっと寄り添う。

























「…南……」











子供のような可愛い南の頭をそっと撫でて囁いた。




















「好きだよ」