「佳菜子ー?」
「えっ!?あ、はい!なに!?」
今は夏休みの補講中。
期末テストも無事終わり、私は放課後補修地獄のおかげで68点にまで成長した。
それを見た南は「まだまだやな」なーんて言うけど、私は赤点を免れただけ助かった。
「佳菜子、なんか最近ぼーっとしてる事多くない??なんかあった!?」
「え、いや…その…」
珍しく頬を赤らめて目を逸らす佳菜子。
こ…これは…
「佳菜子…もしかして…好きな人できた!?」
私の言葉に、佳菜子は体をビクン!とさせ、真っ赤な顔で私を見た。
…図星だ。
「なになになになに!!誰!?」
「いや、えっと、ちょ、ちょっと待って!話す!話すから!!」
佳菜子が好きになったのは体育教師の真川大樹(マガワヒロキ)24歳。
どうも、ついこないだ体育研究室に用があった時にたまたま会って、ドストライクだったらしい。
「真川か…」
「す、すっごく優しくてね、かっこよくて…」
そんな事を顔を赤らめて嬉しそうにいう佳菜子は犯罪級に可愛いと思う。
「うん、分かったよ。協力する!」
「ほ、本当!?ありがとう沙奈ぁ〜!」
「うんうん!まずは、話しかけないとね!」
「そうなの!私、体育委員だから体育がある月水金なら会えるの!」
「そっか!いいねぇー!どんどん行っちゃいな♪絶対応援するし♪」
「うん!がんばる!!あ、そうだ。今日も出さなくちゃいけないプリントあるんだった!!行ってきます!」
誰から見ても一目で分かるあのウキウキ佳菜子は、恋をするとすごく乙女になるのだ。