「とにかく。お前は頑張り過ぎやねん。そんな頑張らんでも、周りはちゃんと分かってるから。」
そう言いながら、南は私の頭をいつものように撫でた。
「…南って…たまにズルい。」
「ん?」
「だって、たまにこんなに優しくするんだもん。普段は他の人より私に冷たいくせに。」
「…ふふっ(笑)何、惚れたん?(笑)」
「は!?ち、ちがうし!!」
「ははは(笑)んー…なんなんやろな。
お前見てるとなんでか知らんけどおもろくてな。ついからかってまうねん(笑)」
「なにそれ…もう知らない!」
「あーごめんごめん(笑)嫌?(笑)」
「…別に嫌じゃないけど。
でも、もうちょっと優しくしてくれてもいいのになって。」
「…そっか。でもな…」
南が私の目をじっと見つめる。
何…?
夕日に後ろから照らされた南の姿は
キラキラ輝いてて
なんかすごくドキドキした。
「…な、なによ。」
見つめられるのが恥ずかしくて、つい目をそらしてしまう。
「こんなんすんの…お前だけやで?」
左耳から突然入ってきた言葉。
…お、お前だけって…
「……わ、私行かなきゃ!!!」
グキッ
「いったあああああ!!!!」
「えぇぇぇ」
勢いよく立った私は捻挫のことをすっかり忘れていた。
お陰で激痛が…
「い、いったー…もーー!笑うな!!馬鹿!!」
その姿を見てケラケラとお腹を抱えて笑う南。
「ほんまあかんて!(笑)今のは反則やわ!!」
苦しい!苦しい!と息絶え絶えに言う南を見てたら、なんかすごくおかしく思えてきた。
「もー……ふっ…(笑)やめてよ(笑)」
もう、おかしくておかしくて
2人で、涙が出るくらい笑ってたら
足の痛みなんて忘れていた。
