好きだ。


サンサンと照りつける太陽に負けんじと続く歓声。




次の種目は運動会で1番盛り上がる、クラス対抗リレーだ。



私はというと…アンカー…な訳で。




私の横には、麻美がいる。






麻美も速いんだよなぁ。






「…頑張る。」





そう言うしかなかった。







パーーーン!





一発のピストルが鳴り響き、リレーが始まった。





次々と追い抜いて行く自分のクラスメイト達。






「沙奈ーー!!」





向こうから、走ってくる佳菜子の姿が見えた。





よし…勝つ。勝つ。








「…佳菜子!!」







絶対勝つ!!!!!!!















足が痛くて、息ができない






隣を見るとさっきまで少しリードしていたはずの麻美がいた。









このまま…この調子で行けば…

















『俺、いつでもおるから』












南の声が聞こえる。










はは…そうか。












私は南に恋してるんだよね。









認めたくないって思ってた。










だけど…










愛しくて愛しくて








それが恋なんだって、認めざる負えなかった。







私も、南に褒めてもらうんだ!!!









「うりゃあああああああ!!!!!!」












多分、人生で一番頑張ったと思う。








うん、頑張ったよ。


















「沙奈、大丈夫?」


「…ごめんね」


「ううん、皆足痛いのにありがとうって言ってたよ」


「………ごめん、ちょっと1人にして。」








足を見たら紫に腫れていた。







「…ほんと…悔しいな」







腫れた足を引きずりながらベンチに腰掛ける。









向こうには、女子に囲まれる南がいた。




もちろん、その中には麻美の姿も。








「…誰でもいいんじゃん」











もうしばらく何も見たくなくて、下を向いて目を閉じた。









こんな時に浮かぶのは南の姿ばっかり。








「…私は南だけなのに。」








悔しくて






悔しくて悔しくて悲しくて








涙がぽろぽろと零れて止まらなかった









「なんなのよもう…こんなの知らない」










何が悔しいの?





何が悲しいの?





怪我をしてリレーで敗北したから?





麻美に負けたから…?








違う。








南の特別になれないからだ。









「…南ぃ…。」






好きだよ…








「何?」






その声と共に私の足に冷たい何かが当たった。





「うわっ!!」






「何泣いてんの。そんなに痛いん?」


「なっ!!!み、南!!」


「なんやねん(笑)お前なぁ、いくらアンカーやからって無理したら意味無いねん。なんのための補欠や、アホ。」


「…す、すいません」



「あーあーこんなに腫れてもて…無理したらあかんっちゅーねん」


「…だって…」


「ん?なんや」


「…なんでもない。それより、なんでここにいるの?!」


「は?」


「いやだって…あの子達と一緒に楽しそうに話してたじゃん!」


「そんなん、リレーの前に派手にこけて、その後痛そうにびっこ引いてる奴がリレーで思いっきし走ってんの見たら心配なるやろ。」


「え、み、見てたの?!」


「うん。」


「は…恥ずかし…」


「なんやねんそれ、お前のそのぶっさいくな泣き顔の方がよっぽど恥ずかしいわ」


「なっ!!ぶっさいく言うなし!!」