『え……?あ、すみません』 言ってから、しまった、と思った。 差別的に聞こえてしまったに違いない。 しかし精神病棟と聞いて、うろたえてしまうのも事実だった。 『勘違いしてました。すみません』 亮は彼女の方に体を向けて、頭を下げる。 『いつもきちんとした格好をしてるから。ほら、俺を見てくださいよ。一日中パジャマで』 そう言ってパジャマの裾を掴んで見せると、彼女はようやく、うつむき加減だった顔を上げた。