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まるで監獄だ。
ここに来る度、亮は思う。
鍵のかかったドアの前で呼び鈴を押し、やがて看護師がガラス越しに姿を見せる。
もうすっかり顔なじみの亮を見て、ベテラン看護師は目だけで微笑み、鍵を開ける。
「こんにちは。面会ね」
その問いに笑顔で応え、ドアの先の螺旋階段を上る。
病院特有の、消毒液のような匂いが鼻をつく。
傷の手当てや治療などをさほど行わないであろうこの病棟でも、それは必要なのだろうか。
そんなことを考えながら階上に辿り着き、廊下に出ていくつかの個室を通り過ぎる。
中ほどの部屋の前で足を止め、ドアを二度叩く。
はい、という声を聞いて、亮はノブを回した。