電話に出た女性は、名簿の本人だった。 そこで叔父の名前を出すと、覚えていると言う。 しかし彼に姉がいたことは知らなかった。 「でも、同じクラスの兵藤君には、二つ上にお姉さんがいますよ」 「本当ですか!?」 「バレー部で一緒だったの。私が一年生の時、彼女が部長をしていたから、二つ上に間違いないですよ」 「兵藤さん、ですね」 名簿に視線を流すと、確かにその名前があった。 未央子は丁寧に感謝の言葉を述べ、電話を切った。