「これって結構大きな手がかり、だよね」


まだ人もまばらな午前中の学生食堂で、未央子は薄いお茶をすすりながらつぶやく。

叔父を訪ねた後、墓参りをして家に帰るやいなや、未央子は泥のように眠った。

未央子にとって初めてのツーリングは、タンデムシートに座っているだけでもかなりの体力を消耗するものだったらしい。

それに加え、祖父母の死や、叔父の言動や態度が、精神的にもストレスとなった。

しかし、せっかく手に入れた“手がかり”にはまだ目も通していない最大の理由は、新たに知ってしまった母親の罪のせいだ。


「このまま続けることに、意味はあるのかな……」


独り言のように呟くその真意は、亮にもわかっていた。