親愛なる母へ




我慢していた涙が、ようやく解放されて流れ落ちる。


「う……」


振り切るしかない。

所詮はあの程度の男。

付き合っていても、未来はない。

だから、泣くのはこれで最後だ。


「うわぁぁぁぁ……!」


思わずその場にしゃがみ込んだ未央子は、子供のように、声を上げて泣いた。