親愛なる母へ




彼女は眉をひそめ、いささか大げさに神妙な顔つきで言う。


「二人とも亡くなったよ。もうずいぶん前になるね。何年か前に九回忌を手伝ったから、もう十年以上になるんだねぇ。まだ若かったのに」

「そうですか……」


うつむいた未央子に同情したのか、彼女の未央子を見る視線が柔らかくなる。


「おじいちゃんとおばあちゃんに会いにきたの?お墓は息子さんの自宅の傍に移したって聞いたけど」

「息子?未央子のおじですか」


亮が半歩だけ前に出る。

これは、重大な手がかりだ。