親愛なる母へ




再びバイクを走らせ、商店街を抜ける。

しかし、曲がるつもりだった道を一本過ぎてしまい、次の路地を右に入る。

その景色がむしろ、未央子の記憶を蘇らせた。


「亮、一回停めて!」


未央子は、亮の腰に回してあった腕をほどき、亮の太ももを軽く叩く。

路肩に寄ってエンジンを切り、サイドスタンドを下ろすと、未央子は弾かれるようにタンデムシートから降りた。

目の前にあるのは、小さな図書館。

脇には公園があり、ささやかながら遊具も置いている。


「ああ……懐かしい」


自然と言葉がこぼれていた。