親愛なる母へ




バイクにロックをかけ、ヘルメットとグローブをはずしながら、亮が問う。


「ケツ、痛くない?」

「ん……ちょっと痺れたかも」


亮のバイクはロングツーリング向けの型だが、シートはそれなりの硬さがある。

ずっと同じ体勢だということもあり、体が固まってしまった。


「亮は?疲れてない?」


体を伸ばしながら問うと、亮は小さく笑う。


「俺は慣れてるから」


そして飲み物を買うと言い、一人でコンビニに入っていった。