待ち合わせた大学の正門前で、未央子は予想外の光景に目を丸くした。 先に来て待っていた亮が、大きなフルカウルバイクに寄り掛かっている。 「これ、亮の?」 黒と銀のツートンカラーが艶やかに光り、未央子は目を輝かせた。 未央子自身は免許を持っていないが、何度かタンデムシートに乗ったことがある。 あの爽快感がやみつきになり、自身でも免許を取ろうと思っていたほどだ。 しかし。 「バイクで行くの?」 目的の場所へは電車で行こうと話していたはずだ。