亮は未央子の目を覗き込むようにして、問う。


「会いたいのは、本気?」


ゆらゆらと揺れる瞳が、複雑に色を変える。



ようやく薄れてきた虐待の苦しみを思い出すことになるかもしれない。

会えたところで、どうしようもなく打ちのめされるだけかもしれない。

それに耐えられるのか?

でも、このままでは前に進めない。



未央子の目に、強さが宿る。


「あたし、お母さんに会いたい」


その言葉に、亮は力強く頷いた。