親愛なる母へ




歌い始める前よりも大きくなった拍手を聞きながら、亮は重く厚いドアを押し明けた。

夜に包まれた空を見上げる。

街のネオンが星を隠す。

そこにあるものを見るように、そっと目を閉じた。



乾いた風が、頬を撫でる。

秋の夜の空気をさらっていく。



二人の旅の終わりを、告げる。