親愛なる母へ




目を閉じて、コードを重ね、声を乗せた。

それは、親愛なる母への、ラブソングだった。

スポットライトをまぶたに透かすように、未央子は心持ち顔を上に向けて、コードをかき鳴らした。



お母さん。



未央子はその向こうに見える笑顔に呼びかける。



あなたに返せなかった恨みを、決して忘れない。

そして、あなたに返せなかった愛を、決して忘れない。



傷が、未央子の胸に刻まれた小さな傷痕が、今日も未央子を苦しめる。

傷が、未央子の胸に刻まれた小さな傷痕が、愛していると、ささやく。