親愛なる母へ




控えめな照明の中、未央子はステージに現れた。

小柄な彼女にとっていささか大きく見えるアコースティックギターを抱え、ステージの中央、スタンドマイクの前に立って頭を下げると、パラパラと拍手が起こる。

アメリカの女性シンガーのカバーを2曲。

少ないながら、未央子の声に耳を傾け体を揺らす者がいるのを、亮はライヴハウスの後方の壁にもたれ、見ていた。

そしてその後、曲名を告げずに最後の曲を奏で始める。

ここ数ヶ月の間、向き合い続けて生まれた未央子のオリジナルの曲だ。