親愛なる母へ




今、未樹の中で、未央子は死んだ。

けれどそれは、未央子にとって悲しいことではない。淋しいことではない。

なぜなら、未央子の中では、未樹が生きている。

そのことが未央子を強くする。幸せにする。



彼女が心地良く生きられるなら、それでいい。

彼女が穏やかに笑えるなら、それでいい。

彼女に覚えていてもらえなくても、彼女の笑顔がずっと続くことが一番大切だと、心から思う。

何より願うのは、彼女の笑顔。



だから、最後に一度だけ。

未央子は大切なその人を、想いも丸ごと抱きしめた。



愛していると、伝わるように。