親愛なる母へ




どこか安心したように、未樹は小さく微笑んだ。

そしてその手が、未央子の頬に触れ、髪に触れた。

ゆっくりと、頭を撫でる。

未樹の目に浮かんだ涙は、軽々と限界を越え、頬を濡らす。



ああ、そうだ。

この感覚だ。



体の奥底で、記憶の壁が決壊した。

そこから、思考も感情もひとまとめにしたものが勢い良く流れ出し、未央子の内側を満たしていく。

じんわりとした温かさが広がる。

優しく抱きしめられるように、未央子はその心地良さに包まれる。