どこか安心したように、未樹は小さく微笑んだ。 そしてその手が、未央子の頬に触れ、髪に触れた。 ゆっくりと、頭を撫でる。 未樹の目に浮かんだ涙は、軽々と限界を越え、頬を濡らす。 ああ、そうだ。 この感覚だ。 体の奥底で、記憶の壁が決壊した。 そこから、思考も感情もひとまとめにしたものが勢い良く流れ出し、未央子の内側を満たしていく。 じんわりとした温かさが広がる。 優しく抱きしめられるように、未央子はその心地良さに包まれる。