親愛なる未央子へ 私のことを、覚えていますか。 どうか忘れていますように。 そうでなければ未央子は、ずっと長い間、私を憎んでいなければならなかったから。 未央子が苦しんでいることが、私は一番辛い。 私は自分のことが憎くて仕方がない。 この自分を殺してしまいたいと、いつも思ってしまう。 それは、悲しいことだと思いますか。淋しいことだと思いますか。 私はそうは思いません。 だって未央子との思い出を胸に抱いていると、強くなれる。幸せだと思える。