親愛なる母へ




親愛なる未央子へ


私のことを、覚えていますか。

どうか忘れていますように。

そうでなければ未央子は、ずっと長い間、私を憎んでいなければならなかったから。

未央子が苦しんでいることが、私は一番辛い。


私は自分のことが憎くて仕方がない。

この自分を殺してしまいたいと、いつも思ってしまう。

それは、悲しいことだと思いますか。淋しいことだと思いますか。

私はそうは思いません。

だって未央子との思い出を胸に抱いていると、強くなれる。幸せだと思える。