未央子の両手にあふれる肩が、頼りなく震える。
それをきつくきつく抱きしめた。
そうでもしないと、壊れて、消えてしまいそうに見えた。
いつも頼りになる存在で、冷静で、強く見えた亮も本当は、これほどの悲しみと後悔を背負って生きていた。
何かに耐えるように時折こぼれる声が、そのまま未央子の胸の奥の方に、ずしりと重みを持って落ちてくる。
そして、じわり、じわりと身に食い込む。
痛い。
未央子は亮の肩越しに、空を見上げた。
優しげな薄い青が、二人を見下ろす。
痛いよ、お母さん。
二人分の悲しみが、ゆっくりと身を切り裂いていく。