『今日も来てくれたの……』 少し不審の色をたたえた瞳。 無理もない。 家族どころか、どこの誰ともわからない若い男が、毎日のように見舞いにやってくるのだから。 でも。 『あなたの名前は……?』 思い出して。 『そう。亮君っていうの』 以前と同じ響きで名前を呼んで。 『入院仲間だったって、先生に聞いたわ』 それだけじゃない。 『優しいね』 優しいわけじゃない。 ただ、 『ありがとう』 ただ、あなたを。