親愛なる母へ




母が自分に会いたいと言った時に、自分を探してくれたとしたら。

彼女がまだ自分を覚えているうちに、会えたとしたら。

過ぎてしまったことを悔いても元には戻らないと頭ではわかっていても、未央子の心がそれを拒絶する。


「今となっては言い訳でしかないけど……」


亮が、口を開く。


「ずっと前に、未央子を探したことがあったんだ。でも、その頃未央子はイギリスにいた。日本に戻ったら一番に、訪ねて行こうと思ってた」


その言葉を聞いて、未央子の脳裏に、先日の一葉との再会がよぎる。


「まさか……一葉とも、会ったことがあるの?」