会いたいと、思った。 母の愛に、触れたいと思った。 心と体の傷痕が気にならなくなるほどに、今までの空白を埋めるように、包まれたいと思った。 もしも母が自分を愛しているというのが、真実ならば。 会いたいと、願った。 いつの間にか、こんなにも、会いたいと願っていた。 「……未央子!」 その声は、救いなのか。 それとも、未央子を苦しめる諸悪の根源か。