親愛なる母へ




「亮、入院してたのはいつ?」

「高校2年。今から……5年も前になるんだな」


5年。

未央子はその長さを思った。

5年前というと、未央子は14歳、まだ中学生だ。


「そんなに、前から……」


亮の口振りから、未樹との関係は、亮が入院していた期間限りでないことはわかっていた。

おそらくこの5年の間も、未樹に会いにここを訪れることを続けていたのだろう。

でも、なぜ?

二人はどういう関係だったのか。

ただの患者同士か、あるいは。