親愛なる母へ




少しの沈黙の後、亮が未央子を見た。

覚悟を決めたような、まっすぐで、そして悲しい目だった。


「ごめん……」


そう言って、亮は顔を伏せた。

その瞬間、未央子は立ち上がり、亮に掴みかかる。


「謝ってほしいなんて言ってない!!」


そしてもう一度、先ほどと同じ質問をぶつけた。


「なんで亮がここにいるの!?答えてよ!!」


それはあまりに悲痛な叫びとなって響き、亮はその痛々しさを受け止めるように、唇を噛んだ。