親愛なる母へ




雑草混じりの芝生の原っぱと、その向こうには植え込みがあり、顔を上げると薄青い空が広がる。

病院以外に高い建物のない郊外ゆえ、その空は遮られることなく、パノラマのように見渡せた。

未央子は一度唇を引き結び、心の準備をする。

そして、亮の横顔に問いかける。


「亮、何を隠してるの?」


鎌をかけたつもりだった。

未央子は亮を信じたかった。

そう、例えば、未央子がここに来ると知って、心配して先回りしていたのだとか。

祈るように、未央子は亮を見つめた。