親愛なる母へ




妊娠しているかもしれないと疑い始めてから、未央子は幾度となく想像した。

お腹に手を当て、そこにいるかもしれない存在を。

しかし同時に怖くなる。

自分は果たして母親になれるのだろうかと。

父親がいないとか、経済面だとか、そういう物理的な問題以前の、未央子自身の問題だ。

未央子は自分を疑っている。

自分には、母性がない。

自分には、我が子を愛せない。



自分の母親が、そうであったように。