親愛なる母へ




本当は自分のものにしたい、けれどそれ以上に、彼女が心地良く生きられるようにしてやりたい。

自分の隣でない場所で彼女が穏やかに笑えるなら、亮は彼女の手を引いて、そこに連れて行ってやろうと思う。

彼女とずっと一緒にいられなくとも、彼女の笑顔がずっと続くことが一番大切だと、心から思う。

これまで長い間苦しんできた彼女が、その闇から解放されるのであれば、どんなことでもしよう。

何より願うのは、彼女の笑顔だ。

それなのに。