親愛なる母へ




全身の血液が凍りついたように、寒気が襲う。

ペットボトルとアイスキャンディーを投げ出して、目の前の柵に飛びついた。

そして、反射的に下を見る。

崖のように切り立った白い岩肌と、その向こうに赤茶けた土と茂みが見える。

ずいぶんと長い階段を上ってきたのだから当然なのだが、地面がはるか彼方にあった。

そこに視線を流す。

探しているのではない。

無いことを確かめるだけだ。

息をするのも忘れて、そこに目を凝らした。