未央子と亮が再会した翌日。

待ち合わせた場所から今まで、ほとんど無言のまま歩いた先で、未央子がようやく口を開く。

しかしその口調は、いつもと打って変わって弱々しい。


「亮、外で待ってる……?」


それは未央子の、せめてもの気遣いだった。

これから足を踏み入れようとする場所に、躊躇なく入っていける男などいない。


「いや、中で待つよ。外がいいって言うなら、そうするけど」


どうする?と亮は目で問う。

未央子はわずかに震えた手で、亮のシャツの裾を掴んだ。


「一緒に来て……」