親愛なる母へ




やがてバスが病院の前に停まり、バスに乗っていたほとんどの人が降りた。

辺りには他にこれといった施設もなく、皆、病院を目指して歩き出す。

未央子も彼らについて歩き、総合受付まで難なく辿り着いた。

新しくはないが、病院らしい清潔さが、未央子の背筋を伸ばす。

幸いに病院とは縁遠い生活を送っていた未央子にとって、ここは未知なる場所に近かった。

ロビーには革張りの椅子が並べられ、たくさんの人が、名前が呼ばれるのを待っているようだった。

数箇所ある受付は、どれも対応中だ。

辺りを見渡すと、ロビーからいくつも廊下が枝分かれし、その中に“精神病棟”へ続くという通路を見つけた。