親愛なる母へ




店を出て、バイクを停めた駐輪場に向かう。

二人は一言も話すことなく、ただ手を繋いだまま、ゆっくりと歩いていた。

その手を通して、未央子は亮の優しさが自分に染み込んでくるように感じた。

亮が自分を気遣ってくれていることを、今なら素直に認められる。


「あのさ、亮。あの……ごめん、ね。怒鳴ったりして」


まっすぐに亮を見ることができず、うつむきながら、ぼそぼそと言う。

すると、亮がふっと息を吐く気配があり、小さく笑ったことがわかった。


「別に。未央子らしい反応だったから」


亮の意地悪な口調に、未央子は思わず顔を上げる。

すると、いたずらな笑みを浮かべる亮と目が合った。