亮は目を伏せる。
それが、答えなのだと思った。
「もういいよ!あたし一人で行くから!」
未央子はテーブルに手をついて、立ち上がる。
周囲の視線が未央子に向かうが、そんなこと気にしていられなかった。
「未央子」
亮が未央子の手を掴む。
大きな手の温もりが、むしろ腹立たしかった。
「放して!」
本当は、わかっていた。
それは亮の優しさなのだと。
亮は、未央子が傷付くかもしれないことを、心配しているだけなのだ。
それでも、未央子は背中を押してほしかった。
それを伝えもせずに、期待していただけだ。
メニュー