親愛なる母へ




亮の都合で、会えるのは一週間後となってしまった。

未央子は小さくため息をつくが、母親に会うための心の準備を始めることにした。

できれば亮にも一緒に、その病院へ行ってほしいと言うつもりだった。

一緒に会ってもらうとまではいかなくとも、以前に兵藤と会った時のように、近くで待っていてほしい。

亮がいると思うと心を強く持てる。

そして、次の目的地で、何が起こるとも限らない。

胸騒ぎが妙に気になる。

ひどく傷付くことになるかもしれない。

そんな時、亮に一緒にいてほしかった。

いつしか亮は未央子にとって、最も信頼でき、そして最も大切な存在となっていた。