それはどういう意味か、と口を開きかけた時、桐島は両手を広げた。


「タイムリミットだ。診察が始まる」


そう言って未央子を促し、一緒に部屋の外に出た。


「じゃあ。会えてよかったよ」


桐島はそう言って、白衣をひるがえす。

その後ろ姿を見ながら、未央子は胸騒ぎに襲われる。

この先に、何か良くないことが待っているというのだろうか。

しかしいくら考えても、その正体を突き止めることなどできない。

未央子は頭を振って、次なる目的地へ向けて、足を進めるしかなかった。