親愛なる母へ




その女性は、心身共にぼろぼろの状態で、この病院のドアを叩いた。

夜はほとんど眠れず、食事もまともに摂っていない期間がずいぶんと続いているという。

げっそりとやせて、顔色が悪い。

心には常にどんよりと雲がかかり、頭の中は悲観的な考えで満たされているのだという。

共に生活する家族もなく、一人でいては危険な状態だったことから、半ば強制的に入院させた。

うつ病による不眠と食欲低下、意欲減退と診断され、抗うつ剤の投薬治療が行われた。