彼らの背中を射抜いていた視線をはがし、未央子は再び亮を見上げる。 涼しげな目に見下ろされると、なかなか本題に入りにくい。 「あんた、チバっていうの?」 未央子の苦し紛れの問いに、亮は訝しげな表情見せたので、慌てて付け加える。 「さっき、友達がそう呼んでた」 そう言うと亮は納得したように表情を緩めたので、続けてごく簡単に下の名前を問う。 「チバ……何?」 「亮」 未央子は千葉亮の名前を心の中で反復した後、意を決して本題に入ろうと口を開く。 「あのね、亮」